インタビュー記事「エンパワー様」
- 2013/12/4
- インタビュー
買取専門店「大吉」をフランチャイズ展開されている「株式会社エンパワー様」
2010年の会社設立からわずか3年で100店舗以上を出店。(取材時:126店オープン、加盟契約ベース168店)
今回、独自の発想にて短期間でオーナーの信頼を勝ち得ている前田社長に、成功の秘密を伺いました。
協会)本日はよろしくお願いします。まず初めに、御社のビジネスの特長を教えていただけますでしょうか?
前田社長)弊社の特長は3つあります。まず、オーナーさんに損をさせない「究極のWIN-WIN」を目指しております。そのため、スーパーバイザー(以下、SV)の店舗常駐派遣を1年間行なっています。1ヶ月20日間、無償で常駐させています。
オーナーにはその間に経営のノウハウ、集客を学んで頂きます。これが一つ目の特長です。
協会)それはオーナーにとってはありがたいシステムですね。オーナーには初期研修を行っていらっしゃるのですか?
前田社長)研修は行なっておりません。SV派遣の中で1年間OJT研修を行っていきます。
協会)なるほど。
前田社長)それから2つ目ですが、万が一、店舗運営が赤字になったら補填をつけています。これは、他のフランチャイズ本部にはない珍しいやり方だと思います。
協会)100%保証されているのですか?
前田社長)はい。100%しています。1年目に限り、営業利益が赤字になった場合は、すべて補填します。オーナーが資産を減らさないように、リスクがほとんど無いようにしています。
そして3つ目は、オーナーの収入保障です。
独立した後は、果たして自分の給料が取れるのだろうかと不安になりますが、月々30万円の保障をさせていただいています。
300万円の加盟金で、月々30万円、年間360万円は保証している形にしているので、絶対に損しないというようになっています。
協会)それはすごいですね。今まで聞いたことがありません。2年目以降はどのようなサポートを受けられるのでしょうか?
前田社長)2年目以降は、SVが2ヶ月に1回店舗に訪問します。電話は月1回必ずすることをルールとしています。6ヶ月に1回は店長会議(オーナー会議)を行なっています。
協会)全国のオーナーを集めるのは大変だと思いますが。
前田社長)店舗はだいたい年中無休ですが、店長以外にもう1名の2名体制で回していますので大丈夫です。
協会)買取専門店というと他にも多くありますが、エンドユーザーから見た他社との違いはありますか?
前田社長)接客と広告宣伝が全然違うと自負しています。弊社の場合、月に60万円~70万円を広告宣伝費に使っています。他社は広告宣伝費を使っていないところが多いのではないでしょうか。
協会)確かに。ノボリは目にするけど広告は目にしませんね。
前田社長)地域のフリーペーパーに広告を入れているところもありますが、それ以外はあまりやっていないと思います。弊社のフランチャイズ店の場合、販管費の半分は広告宣伝費に当てています。
協会)集客を店舗任せにしないというのは非常に素晴らしいと思います。
協会)ところで、前田社長様はもともと何をされていらっしゃったのですか?
前田社長)仲卸の問屋をやっていました。元々、こういうのをやろうとは思っていなかったんです。
ある時、フランチャイズは、本部が儲かる仕組みになっているということに気づいて「加盟店さんが儲かる仕組みを作ったら絶対いける」と思いました。
他の本部はどうやっても本部が痛まないようになっている。本部が痛みを吸収して、加盟店さんを撤退させない仕組みを作れば分かってくれる人はいるだろう。失敗者を作らなければ、いけると考えました。
協会)それが「究極のWIN-WIN」という意味なんですね。
協会)加盟開発の方法を教えていただけますか?
前田社長)当初は知人にビジネスを説明して回ったり、ご紹介をいただきながら店舗を作っていきました。
広告はあとから。2010年設立で、2011年夏くらいから、本格的に広告費を払って募集を始めました。加盟契約が月2~3件決まる感じですね。広告費をかけて加盟金で回収するというようなことは考えていませんでした。店舗を作って、実際のビジネスで勝負したいと考えていました。
協会)それは、雇用促進とか、社会貢献的な感じでビジネスを考えていらっしゃるのでしょうか?
前田社長)それもありますが、弊社が立てている目標は、会社設立から10年で3本の柱を作る、ということなんです。これは社員にも話をしています。
買取専門店大吉で儲けるというよりも「エンパワー」という社名を世の中に広めていくということが狙いなんです。認知度を上げて行きたい。だから、加盟開発で儲けるより、どんどん出店していくことが重要だと考えています。
協会)なるほど、その考えに共感して社員も加盟店も増えているのですね。
非常にスピード感が感じられる経営ですが、注意されていらっしゃることはありますか?
前田社長)1番は物件ですね。買取をやる上で、鍵は物件、広告、接客。この3つが重要です。
協会)その点では、SVを20日間投入すると、出店のスピードと合わなくなるのではないでしょうか?
前田社長)その通りです。毎月3名~5名に入社していただいていますが。それでも、足りません。1年目のサポートで、精一杯。2年目のオーナーへのサポートが少し追いついていないような状況です。
協会)SVの人選も非常に重要だと思いますが、採用の目利きはどうされていらっしゃるのですか?
前田社長)買取の事業をやりたい人は、実はあまり向きません。弊社の場合、能力や経験はあまり重要視していません。
協会)それではどのような採用基準を設けられているのですか?
前田社長)素直な方ですね。エンパワーの理念に共感していただいて、一緒に大きくしていこうという方が一番いいです。
このことは採用を担当している幹部にも浸透していますから、どんどんいいSVが採用できています。
協会)一方の加盟店開発ですが、直近1年間で100店舗近く増えているのには何か理由がありますか?
前田社長)そうですね。加盟営業のスタンスでしょうか。弊社の場合、体育会系で、とにかくアポとっていく、というスタイルを取っています。
協会)それは、全国ですか?
前田社長)はい。遠かろうが、近かろうが、行きなさいと。(笑)営業は3名、実質は2名体制でやっています。
協会)エリア戦略は行っていますか?
前田社長)出せるエリア、出せないエリアは決めてはいます。商売やりたい人は、自分の商圏にこだわらずにどこにでも出店していただけます。
協会)オーナーが複数店舗出店される場合のエリアはどうなりますか?
前田社長)エリアも、全部本部が主導で決めています。一番出店数が多いオーナーは、法人様ですが1社で12店舗出されています。次は4~6店くらい。
協会)もともとはどのような事業をされているオーナーが多いのでしょうか?
前田社長)いろいろですよ。古物商で1店舗だった方が弊社のフランチャイズで複数店展開されたり、自動社ディーラー様とか、脱サラの方もいらっしゃいます。フリーターで独立した22歳という方もいますよ。(笑)
協会)ほんとうに様々ですね。「固い」というイメージがあるのでしょうか。
前田社長)それもあると思いますが、法人様でも取り組みやすかったり、リスクを弊社が負担しているというのも魅力なんだと思います。
協会)初期投資にかかる費用を教えていただけますか?
前田社長)物件取得で200万円。内装150万円、備品100万円。そのほかも含めると800万円~1,000万円くらいは見ていただいた方がいいです。費用が不足するオーナーには融資紹介もしています。
協会)3年後はどのような姿を目指していらっしゃるのでしょうか?
前田社長)大吉は再来年で、300店舗になるはずです。新事業はその間に立ち上げたい。新事業はテストマーケティング中です。
協会)10年で3本の柱ということを徹底していらっしゃるのですね。300店以上増やすというビジョンはないのですか?
前田社長)大吉は300で止めます。それでも買取専門店では業界ナンバーワンになります。マーケット的にも、そのくらいがちょうど良く、SVのバランスが整ってくるので新規事業を回していくことができます。
協会)ありがとうございます。最後に本部で頑張っている皆さまに応援のメッセージをお願いできますでしょうか?
前田社長)私の経営理念は「失敗するな」です。
大成功より、失敗しない方が、経営にとってはいいはずなんです。大儲けは必要ない。失敗しない経営が重要。
具体的には、事業を計画する時に失敗した場合のラインを立てています。そのラインのなかに必ず収めていくようにしています。
考え方は違うかも知れませんが、是非皆様と一緒に切磋琢磨して頑張っていきたいと思います。
協会)本日は、大変貴重なお話しを伺うことができました。お忙しい中ありがとうございました。
<会社プロフィール>
会社名: 株式会社エンパワー
所在地: 〒160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目12-1 パークウェスト4階
代表者: 代表取締役 前田健
設立: 2010年10月
ホームページ: http://www.en-power.jp/
買取専門店「大吉」: http://www.kaitori-daikichi.jp/
加盟店募集ページ: http://www.kaitori-daikichi.jp/fc/