01 はじめに
2025年度の最低賃金が過去最大幅で引き上げられることが決定しました。
全国加重平均は「時給1,121円(+66円)」となり、すべての都道府県で初めて最低賃金が1,000円を超えます。
改定時期は都道府県ごとに異なり、2025年10月1日~2026年3月31日の間で順次適用される予定です。
本記事では、代理店本部・代理店双方がこの改定でどのような影響を受けるのか、今のうちから準備すべきポイントを解説します。
02 2025年度の最低賃金改定のポイント
最低賃金引き上げの概要
- 全国加重平均:1,121円(前年比+66円)
- 引き上げ額は過去最大(1978年の制度開始以来)
- 全都道府県が1,000円超えへ
- 適用は 2025年10月~2026年3月の間で順次スタート
改定の背景
- 人材不足と物価上昇を受け、政府は賃上げを強力に推進
- 中小企業にも賃上げ体制整備を求める流れが加速
- 労働環境改善を前提に、下請け取引の適正化にも注目が集まっています
03 本部が押さえるべき影響と対応策
人件費増加を踏まえた収益モデルの再設計
・コールセンター、事務局、サポートデスクなど、本部側の時給コストが増加
・固定費モデルでは収益悪化の可能性 → 成果報酬型・オンライン対応強化など見直しが必要
代理店への報酬制度の見直し
・最低賃金引き上げで、代理店スタッフの時給も上昇
・従来の報酬率だと「割に合わない」状態になる可能性 → 報酬体系の再設計やインセンティブ強化を検討
加盟金・ロイヤリティの適正化
・本部側が負担を代理店に転嫁しすぎると離脱や募集難に
・過値上げではなく、収益が上がりやすい仕組み提供がポイント
(例:自動化ツール提供/オンライン研修整備/集客支援の強化など)
04 代理店が押さえるべき影響と対応策
時給1,000円時代の採用と人件費管理
・アルバイト採用コストが上昇し、採用競争も激化
・採用基準の見直し、スキル重視採用、短時間高生産性人材の活用が重要
業務の効率化は必須
・人件費上昇の中で利益を確保するには「単価アップ」か「生産性向上」のどちらか
・ツール活用(自動返信、顧客管理、自動見積など)で労働時間を削減
副業型/成果報酬型スタッフの活用
・固定時給スタッフにこだわらず、成果報酬や業務委託を活用
・人件費リスクを抑えながら優秀な人材の確保を
05 協会からの提言
最低賃金が底上げされることは喜ばしいことですが、直接的・間接的な影響を考え、対応策を講じる必要があります。
本部としてはコスト構造の見直しと、より魅力的な代理店制度(報酬)への改善。
代理店側も変化するコストに敏感になり、事業の選択、生産性の向上を求めていきましょう。
不明な点があれば当協会にもお気軽にご相談ください。
■ 関連リンク(参考)
※個別の事案については必ず弁護士等の専門家にご相談ください(リンク先は参照元であり当協会と直接関係はありません)