代理店に新しく営業担当者が加わったとき、「とりあえず先輩に同行して覚えてもらう」という育て方をしていないでしょうか。同行する先輩によって教わる内容がばらばらになり、商品知識は身についても、見込み客の探し方や提案の組み立て方が身につかないまま現場に出てしまう、というケースは少なくありません。立ち上がりに時間がかかると、本人の自信が失われて早期の離職につながることもあります。今回は、代理店の新人営業が最初の90日で戦力になれるようにするための、オンボーディング研修の組み立て方をご紹介します。
新人の立ち上がりが遅れる主な原因
- 学ぶ順番が決まっていない:商品知識、業界の基礎、営業の進め方を、その場の案件に合わせて断片的に教えるため、全体像がつかめない
- 同行が「見学」で終わる:先輩の商談に同席しても、何を見ればよいかが決まっておらず、振り返りの時間もない
- 到達の目安がない:いつまでに何ができればよいかが共有されていないため、本人も指導する側も進み具合を判断できない
- 相談の窓口があいまい:困ったときに誰に聞けばよいかがわからず、つまずきが放置される
最初の90日を3つの段階に分ける
オンボーディング研修では、最初の90日を「知る」「まねる」「任される」の3段階に分け、それぞれの到達目標をあらかじめ決めておくことが効果的です。最初の30日は、扱う商材と取引先の本部の方針、業界の基礎知識、自社の営業の流れを学び、商品説明を自分の言葉でできる状態を目指します。次の30日は、先輩の商談への同行とロールプレイを繰り返し、ヒアリングと提案の型をまねられる状態を目指します。最後の30日は、小規模な案件や既存客のフォローを任せ、先輩が同席して振り返る形で、一人で商談を進められる状態に近づけます。
研修の進め方の例
- 学習の順番を一覧にする:本部の資料、商品の勉強会、社内の営業マニュアルを、どの週に何を学ぶかという表にまとめ、新人と指導役が同じ表を見ながら進める
- 同行に「観察シート」を使う:商談の冒頭の進め方、質問の内容、提案の切り出し方など、見るべき点をシートにしておき、同行後15分で先輩と振り返る
- ロールプレイで型を身につける:よくある質問や断り文句への対応を、週に1回は練習し、録画を見ながら改善点を確認する
- 週1回の面談で進み具合を確認する:到達目標に対してできたこと、つまずいていることを話し合い、翌週の課題を決める
本部と代理店で役割を分ける
代理店単独で研修の仕組みを整えるのは負担が大きいため、本部と役割を分けることも大切です。商品知識や業界の基礎は本部が動画や資料でそろえ、代理店はそれを使って同行やロールプレイ、面談に時間を割く、という分担にすると、代理店ごとの教え方の差が小さくなります。本部にとっても、新人の立ち上がりが早い代理店が増えることは、販売網全体の成果に直結します。
まとめ
新人営業の育成は、先輩の経験に任せるだけでは成果にばらつきが出やすく、早期の離職にもつながりかねません。最初の90日の学ぶ順番と到達目標を決め、同行と振り返り、ロールプレイ、面談を型にすることで、新人が自信を持って現場に立てるまでの期間を短くできます。代理店向けの研修の設計や、本部と代理店の育成の仕組みづくりについてお悩みの方は、日本代理店協会までお気軽にご相談ください。