01 はじめに
市場環境の変化に伴い、「取引の適正化(取適法)」に関するガイドラインが改正され、令和8年(2026年)1月1日より施行されます。
これにより、代理店契約における情報開示の義務化、誇大な勧誘表示の抑制、責任分担の明確化などが一段と求められるようになります。
本記事では、改正点を踏まえ、代理店本部および代理店が押さえるべき実務ポイントを分かりやすく解説します。
02 「中小受託取引適正化(取適法)」とは?
「中小受託取引適正化(取適法)」とは、代理店契約や販売取引において、双方が公正・透明な条件で契約・運営を行うためのルールをまとめた考え方です。
主な内容は以下の通りです:
- 不当な契約条件・過度な責任転嫁の防止
- 契約前の重要事項説明の義務化
- 収益モデル・リスクなどの情報開示強化
- 誤認を招く表現の禁止(景表法・特商法との連携強化)
03 改正の背景と施行時期(令和8年1月1日~)
今回の改正は、近年増加している代理店トラブルや情報格差による不利益を防ぐことを目的としており、特に次の点が強化されます。
■ 改正のポイント
・契約時の情報開示項目の標準化
・収益例提示時の平均値・実績値の併記
・一方的損害賠償条項の抑制
・誤解を招く広告・勧誘表現の規制強化
施行日:令和8年(2026年)1月1日
→ それまでに契約書式・説明資料のアップデートが推奨されます。
04 本部が気をつけるべきポイント
■ 情報提供義務の強化(契約前説明)
・初期費用、仕入れ条件、販売ノルマ、サポート内容を明確化
・収益モデルは“最高事例のみ”は禁止、平均・中央値・再現性の説明が必要
■ 不当条項の見直し
・過大な違約金や一方的な解約条項は是正対象
・クレーム対応や顧客データの扱いは範囲と責任を明文化
■ 広告・勧誘のコンプライアンス強化
・「誰でも」「必ず」「簡単に稼げる」等の表現は違法リスク
・説明会資料・LP・営業トーク台本のチェック体制が必要
05 代理店が気をつけるべきポイント
■ 契約内容の確認精度を高める
・ノルマ、解約条件、費用負担、販売地域範囲は必ずチェック
・契約書を読み込まずの加盟は最も多い失敗パターン
■ 誇大表現での勧誘禁止
・独自キャンペーンや割引など、無断施策はトラブルの原因
・景表法・特商法違反は“代理店側”にも責任発生する場合あり
■ “自分を守る”セルフコンプライアンス
・契約書・重要事項説明書を保管
・トラブル時に備え、証跡(チャット・提案資料)を残す習慣を
06 協会からの提言
法整備が遅れている代理店ビジネスで、この改正はメッセージ性の強い内容となっています。
例えば、代理店の成功事例を「最高」だけでなく、平均・中央値・再現性について説明することが必要になりました。
代理店ビジネスでは、契約したけれどまったく活動しないというケースも多いので、平均や中央値を出すことは現実的には難しいと考えます。
フランチャイズ加盟店募集時の概要書面(情報開示書面)に近づけた内容と思われますが、今後は改善されていくものと思われます。
代理店本部、代理店、双方では、法整備を待つのではなく自主的に最適な情報開示を行っていくことが求めれます。
不明な点があれば当協会にもお気軽にご相談ください。
■ 関連リンク(参考)
※個別の事案については必ず弁護士等の専門家にご相談ください(リンク先は参照元であり当協会と直接関係はありません)