01 はじめに
2026年に施行が予定されている労働基準法の改正は、企業と個人事業主、そしてフリーランスとの取引関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。
特に代理店制度を採用している企業にとっては、「雇用」と「業務委託」の境界がより明確に定義される点が注目されています。
本記事では、法改正の背景や主要ポイント、そして代理店ビジネスにおける実務対応を分かりやすく解説します。
※改正に向けた準備がされている段階で、法案成立や施行日が決まっているものではありません
02 2026年労基法改正の概要
今回の改正では、「働き方の多様化」と「偽装請負・名ばかり委託の防止」が大きなテーマとなっています。主な改正ポイントは以下の通りです。
- 不当な契約条件・過度な責任転嫁の防止
フリーランスや業務委託契約者であっても、実質的に労働者と同等の働き方をしている場合、労働基準法の一部が適用される方向へ。
- 長時間労働の是正・休息時間の義務化
請負契約であっても、発注側(本部)が実質的に勤務時間を拘束していると判断されれば、労働時間管理義務が問われる可能性あり。
- 報酬の適正化・支払い遅延防止
フリーランス新法(特定受託事業者保護法)との整合を図り、代理店契約にも「報酬支払の透明性」「成果物に対する責任範囲の明確化」が求められます。
03 本部が気をつけるべきポイント
- 形式よりも「実態」で判断されるリスク
契約書上は「業務委託」でも、指示命令・勤務時間の拘束・専属契約などがあれば「労働者」とみなされるリスクがあります。 - 代理店との関係性を再点検する
契約形態、報酬体系、業務範囲、教育や管理体制が「雇用に近い」場合は、制度全体を見直す必要があります。 - 報酬設計の透明化と成果連動型の導入
多くの場合、成果報酬型だと思われますが、固定報酬の側面があると労働者性が強まります。報酬制度を見直し、成果報酬型・案件単位の支払いになっているかどうかを客観的に判断しましょう。
04 代理店が気をつけるべきポイント
- 「自由に働ける」と思っても実質は拘束されていないか?
毎日報告を求められる、勤務時間や服装を指定される、営業エリアが制限されるなどの場合は、委託契約として問題が生じる可能性があります。 - 報酬・契約条件の明確化
改正後は「契約書の書面交付・電子交付」が義務化される方向。曖昧な口約束ではなく、成果物・支払期日・責任範囲を明文化しましょう。 - 自身の権利を守る意識を持つ
報酬未払い・過剰な業務指示などがあった場合は、自治体や労働局、または業界団体へ相談する仕組みが整備されます。
05 協会からの提言
今回の労基法改正は、「企業と個人の関係を再定義するターニングポイント」と言えます。
代理店制度は、正しく設計すれば双方にとって大きなメリットをもたらす仕組みですが、契約内容や運用方法を誤ると、法的リスクが拡大します。
・本部は「雇用と委託の境界」を明確にする内部ガイドラインを整備
・代理店は「契約書を理解する力」と「交渉する力」を磨く
・両者が対等なパートナーとして、持続的なビジネス関係を築く
上記を鑑み、早め、早めに対策を進めていきましょう。
不明な点があれば当協会にもお気軽にご相談ください。
■ 関連リンク(参考)
※個別の事案については必ず弁護士等の専門家にご相談ください(リンク先は参照元であり当協会と直接関係はありません)