9月1日の防災の日を前に、企業や自治体、学校施設では備蓄品の点検と入れ替えが一斉に進みます。防災・BCP用品の販売を手がける代理店には、この時期に「賞味期限が近づいた備蓄食を入れ替えたい」「従業員数の増加に合わせて数量を見直したい」といった相談が集中しますが、受注が増えるほど備蓄品の先行仕入れが入金より先に出ていき、資金繰りが逼迫することがあります。今回は、日本代理店協会に相談された防災・BCP用品の販売代理店の事例をもとに、運転資金1,100万円の調達で秋の更新需要に対応できたケースをご紹介します。
ご相談の背景
この代理店は、中小規模の企業や介護施設、学校法人を主な顧客とし、非常食・飲料水・簡易トイレ・防災備蓄庫といった備蓄品の提案から、必要数量の算定、納品、期限管理台帳の作成までを一括で請け負っています。防災の日に合わせた見直しと、年度前半に確保された予算の執行時期が重なることで、8月から10月にかけて受注が集中する構造でした。引き合いは安定していたものの、案件が重なるほど手元資金が薄くなることに悩んでいました。
資金繰りが逼迫した要因
資金繰りが厳しくなった背景には、次のような要因が重なっていました。
- 非常食や飲料水は賞味期限に余裕のあるロットを確保する必要があり、メーカーの生産計画に合わせて数か月前からまとまった数量を発注しなければならず、仕入代金の支払いが入金より先行した
- 官公庁や学校法人が関わる案件では検収から支払いまでの期間が長く、納品を終えても入金までのタイムラグが生じた
- 備蓄庫やロッカーの設置を伴う案件では搬入・据付を外注しており、複数の現場が同時期に動くほど外注費の立替が膨らんだ
- 需要が9月前後に集中するため、繁忙期に向けて在庫を抱える期間が長くなり、その分だけ資金が在庫に固定された
日本代理店協会にご相談いただいた内容
「防災の日に向けて引き合いは増えているのに、非常食の先行仕入れと在庫の保有で手元資金が細ってきた。秋以降に見込まれる更新案件を、資金の都合で取りこぼしたくない」というご相談でした。受注は伸びているものの、入金までの期間が読みにくく、次の仕入れに踏み切れないという状態です。
調達に向けて整理したポイント
- 受注済み案件と見込み案件を分け、それぞれの納品予定日と入金予定日を一覧化することで、資金が不足する時期と金額を先に明確にした
- 仕入れる備蓄品が長期保存を前提とした商材であり、期限管理さえ行えば滞留在庫になりにくいことを、過去の在庫回転の実績とあわせて説明できるようにした
- 需要が9月前後に集中し、その前後で資金需要に波が出るという事業特性を踏まえ、余裕をもった調達額と返済ペースを設定した
- 過去数年の月次売上推移と更新案件の件数を示し、防災備蓄の需要が一過性ではなく、BCP策定の広がりに支えられた継続的な事業基盤であることを説明できるようにした
結果
資金使途と入金予定、返済原資を整理して説明できるように準備したことで、運転資金1,100万円の調達につながりました。非常食・飲料水の先行仕入れと備蓄庫の設置外注費に充てることができ、資金の都合で見積依頼を辞退することなく、秋に集中する更新案件に対応できたとのことです。あわせて、官公庁や学校法人が関わる案件については、検収から入金までの期間を初めから資金計画に織り込む運用へ切り替えられたそうです。
まとめ
季節性の強い商材を扱う代理店では、需要が伸びる時期ほど先行仕入れと在庫の保有で資金繰りは苦しくなります。とくに検収を伴う案件は納品から入金までの期間が長くなりやすく、受注時点の見立てと実際の資金の動きにズレが生じがちです。大切なのは、資金需要が来てから動くのではなく、資金使途と入金予定を整理し、返済原資まで含めて説明できるように前もって準備しておくことです。同じように先行仕入れや入金の遅れで資金繰りにお悩みの代理店の方は、日本代理店協会の資金調達無料相談窓口までお気軽にご相談ください。
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