01 はじめに
2025年4月施行の改正個人情報保護法では、「本人の権利保護」と「情報の適正な取扱い」がさらに強化されました。
代理店ビジネスでは、本部が顧客情報を共有したり、代理店が顧客データを取得したりする場面が多く、法改正への対応が急務です。
本記事では、代理店制度に関係する企業・個人が押さえておくべき最新ルールと実務対応のポイントをわかりやすく解説します。
02 改正個人情報保護法のポイント
主な改正点(2025年版)
- 個人データの国外提供ルールの厳格化
海外のクラウドサービスを使う場合、相手国の法制度・セキュリティ状況を説明する義務が追加。 - 個人関連情報の第三者提供の明確化
Cookieやアクセス解析データなど、個人を特定しない情報も「個人関連情報」として管理対象に。 - 漏えい報告義務の拡大
顧客情報が「一部」でも漏えいした場合、個人情報保護委員会への報告・本人通知が必須に。 - 罰則・行政処分の強化
法人に対する罰金上限が最大1億円に引き上げ。
03 本部が気をつけるべきポイント
- 代理店とのデータ共有ルールを明確に
・顧客情報を渡す際は「利用目的」「管理責任者」「削除手順」を明記
・共有範囲を必要最小限に絞り、クラウド上でのアクセス制御を実施 - 個人情報取扱契約(委託契約)を締結
・「再委託禁止」「漏えい時の報告義務」などを明文化
・紙・データいずれも契約書に保存期間を明記しておくこと - 社内教育と記録の義務化
・全従業員・代理店に年1回以上の教育を推奨
・教育内容と受講記録を残しておくことが、万一の調査対応に有効
04 代理店が気をつけるべきポイント
- 顧客情報を扱う端末の管理
・個人のスマホやPCを使う場合は、パスコード・暗号化・リモートロックを必須化
・外出先でのWi-Fi使用にも注意(VPN利用を推奨) - 顧客からの「開示・削除」請求に備える
・「いつ・誰から・どの情報」を取得したかを記録しておくことが重要
・対応マニュアルを本部と共有しておくとスムーズ - SNSやLINEでの個人情報送信禁止
・誤送信やアカウント乗っ取りによる漏えいリスクが高い
・専用フォーム・CRMシステムでのやり取りに統一すること
05 協会からの提言
個人情報保護法もデジタルの変化に伴って今後も変更されていくことが予想されます。
通信技術が発達すれば、膨大なデータも一瞬で送信されてしまいます。
万が一が起こらぬよう、今一度、現在の管理体制・ルールの確認をお願いします。
■ 関連リンク(参考)
※個別の事案については必ず弁護士等の専門家にご相談ください(リンク先は参照元であり当協会と直接関係はありません)