全国から代理店を作りたいとご相談いただくのですが、ある時こんな質問がありました。「年内に代理店を300店作りたいのですが、そちらで募集したらできますか?」
失敗する典型的な会社だと思いました。代理店を300店作ることを目的にするということ自体は悪くはありませんが、なぜ300なのかという根拠だけでなく、代理店報酬など、代理店構築をお手伝いしている当社が知りたかったことが何も決まっていなかったのです。
代理店を作ることが事業の目的になってしまうと、たいていは失敗しています。これは手段が目的になってしまうと言われる現象なんだと思います。
この他にも、売れないから代理店展開する、という会社も少なからずあるのですが、これもお薦めできません。売り方が分かっていないメーカーが代理店を集めても、売れない代理店が沢山できるだけで、何も解決しません。
自社でこうやってお客様に説明したら売れた。もっと売りたいけどウチは営業が弱いし、全国に営業所を作る予算もないから代理店展開したい、というが正しい代理店構築の動機だと思います。
もちろん、大手企業様が短期的にシェアを獲得するために代理店網を作りたいというご相談もよくいただきます。
大手にしろ、ベンチャーにしろ、私はよく「マクドナルドを作る決意で代理店を募集してください」と言っています。どこかからか商品・サービスを売ってくれるスーパーマンが現れるのを待つのではなく、売りたいと言ってくれる代理店を売れる代理店に育てる。それもマクドナルドの質の高い店員さんのように何人も何人も育てることができなければいけません。それがメーカーの役割であり責任だということを意識していただきたいと思います。
代理店を作る目的は、売上を上げるためですが、メーカーとして苦労してきた成果を代理店に教えて、ともに成長するという目的もなければいけないのです。
「代理店構築マニュアル」について
一般社団法人日本代理店協会では、代理店に関する各種情報を無料・有料に提供しております。
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