企画する

代理店を作ろうと思った時に、何から手をつけていいか分からないという企業様が多いと思います。
どのように考え、何を決めていけばいいのかをご説明いたします。
※本ページの内容は入会特典の「代理店構築マニュアル」にも記載されています >>ご入会はこちらから

 

どの商品・サービスで代理店を募集するかを決める

商品・サービスが単一の企業様の場合は問題ありませんが、複数の商材を扱っている企業様の場合は、どの商材で代理店を募集するかを決める必要があります。

複数の商材を並べて「どれでも扱えます」というと一見多くの代理店が集まるように感じますが実際はその逆です。つまり、貴社の商品・サービスの内容がぼやけてしまって、代理店が集まらなくなります。

会社としてどうしても複数の商品・サービスで代理店を募集しなければいけないのだとしたら、別々に募集してください。商品Aの募集と、商品Bの募集を別々に行うということです。

私たちが商品やサービスを買うときに、ついでに2つのものを買うことはありますが、同時に探すことはありません。これと同じように募集をする時も、何か一つで募集しないと失敗します。

また、商品・サービスの特長を表現できていない会社も多くあります。

その商品・サービスを購入するとどんな結果が得られるのか。他社と何が違うのか。なぜ他ではなくその会社のその商品・サービスを選ぶ必要があるのかを明確に打ち出さなくてはいけません。

代理店を募集するにあたっては、まず初めに商品・サービスの「売り」をはっきりさせておく必要があるのです。売りがはっきりしていなければ、いくら募集をかけても代理店は集まりません。代理店が探しているものは、「売れる」商品・サービスであり、特長がよく分からないものには集まりません。

その商品・サービスがテレビCMで流されている場合は、「商品名+代理店募集」で多くの代理店候補が集まってきますが、そうでない場合は、「(特長)+商品名+代理店募集」と表現する必要があります。商品名をあえて出さずに「(特長)+代理店募集」とした方が分かりやすい場合もあります。

また、本当に売って欲しい商品・サービスが高額であったり説明が難しい場合には、下位の商品・サービスを用意する方法をお薦めします。

募集にかけるコストや労力を最大化することを考えれば、分かりづらい商品・サービスを一生懸命説明するよりも、まず分かりやすい商品・サービスで募集しておいて、販売する能力が高い代理店に対してだけ上位の商品・サービスを販売してもらうようにした方が効果的です。

募集している企業様を見渡すとその多くが何を募集しているのか良く分からないものが多いように思います。知名度がない商品名で募集をしていたり、社名で募集していたり。まずは何で募集をするのかを決めて、その切り口、特長を前面に出すようにしましょう。募集のタイトルを見ただけで、ぱっと分かるそういう分かりやすさが必要です。

>>商品・サービスの売りを考えるためのワークシート

 

代理店構築の仕組みを考える

商品・サービスを絞り込み、売りを明確にすることによって、代理店構築に力が増しました。なるほど、そういうものなら売ってみたい、という代理店が増えるからです。また、売りが明確になっていれば、お客様も買いやすいので、売れる、ということになります。

では、その商品・サービスを売るための代理店は、どのような仕組みで作ればいいでしょうか。仕組み、といっても、分かりづらいので、協会で作成した分類でご説明いたします。

<サプライ型>
商品・サービスのニーズが強く、全国から問い合わせ・注文が入るという状況での代理店構築をサプライ型(=供給型)と呼びます。自社スタッフが全国へ飛び回って対応することが難しく、かと言って営業マンを雇って支店・営業所展開するコストも時間もない。そのための手段として、注文や問い合わせに対応できる代理店を募集して、機会の喪失を防ぎ事業の拡大を図ります。

<シェア型>
店頭で販売する場合や、地域密着の営業・フォローが必要な商品・サービスの場合、一定数以上のお客様を獲得することが難しくなります。その場合に、自社で人員を増やすのではなく、代理店を募集して商圏を広げ、利益を分け合う(シェアする)ことで事業の拡大を図ることができます。

<マーケ型>
完全に権限を委譲するシェア型と異なり、業務を分担・アウトソース(外注)するような仕組みをマーケ型と呼びます。既存顧客を紹介するだけのケース、セミナーの集客を代理店が行いクロージングはメーカーが行なうケース、見込客を獲得してクロージングは代理店にメーカーが同行して行なうケースなどがあげられます。

 

このように、代理店と一言でいっても仕組みは何パターンもあるということがご理解いただけたと思います。サプライ型とシェア型、その他と分けていいほど、マーケ型には様々な形が考えられます。

いろいろある仕組みですが、この選択によって、代理店構築がうまく行く場合もあれば、うまく行かない場合もあります。自社にあった最適な仕組みを選ぶ必要がります。

今も問い合わせや注文が入っているのに対応できなくて困っているなら1番目のサプライ型、今のままでは拡大は難しいが、代理店が他の商圏を開拓してくれるなら売り上げを伸ばすことができるという場合は2番目のシェア型になります。

多くの会社は、その他のマーケ型になると思います。

マーケ型の問題は、業務をどこまで代理店にやってもらうか。代理店を集めたことがないから、どこまでやってもらえるのかも分からない、という会社も多いと思います。この答えに正解はありません。代理店のレベルにもよりますし、貴社のレベルにもよります。

コンビニエンスストアのフランチャイズ契約には20種類近くの契約書の雛形があるといいます。一つの代理店の仕組みに固執するのではなく、代理店の要望に応じて臨機応変に新しい仕組むを積極的に取り入れていくという方法が現実的です。

いくつかの仕組みを試してみて、一番いい方法で代理店を募集するのが良いと思いますが、その方法を見つけるまでには時間がかかります。少し手間はかかりますが、何パターンか用意しておいて、代理店にどの方法がよいか選んでもらうという方法もあります。

まずは自社なりに、代理店との相関図や業務フロー図などで流れを確認し、どうすれば業務がスムーズに流れるか、どうすれば代理店が販売しやすくなるかを考え、代理店に行ってもらう業務を決めましょう。

 

代理店の募集方法を考える

代理店を募集する方法は大きく分けて「プル型」と「プッシュ型」の2つがあります。プル型は募集しているということを募集ポータルサイトや自社の募集専用ホームページに掲載して待つという方法で、プッシュ型は電話やFAXで相手にアプローチすることです。通常はプル型で募集をしてある程度実績を出してからプッシュ型で成功している代理店モデルを拡大していく方法をお薦めしています。

プル型とプッシュ型は、それぞれ対象が異なることを意識しなければなりません。販路があって営業力がある企業は、相当なネゴシエイションが必要ですし、条件によっては利益が残らない可能性もあります。販売実績を作るためには有効ですが、時間だけかかって何もならない場合もあります。

従って利益やアプローチのしやすさを考えると、プッシュ型の狙い目は、営業力のない大会社か、販路がある中小企業になります。

一方のプル型はWEBサイト上で募集するので、こちらから対象は選びにくいですが、貴社の商品・サービスを売りたい!という企業や個人が集まりますので、きちんと準備をしておけば、非常に有効な募集方法です。

プル型で成功するためには、「代理店を作るにあたって」で説明したように、スーパーマンが現れるのを待つのではなく、マクドナルドの店員さんを作るように、誰でも売れるような仕組みを準備しておく必要があります。

 

プル型の戦略

それでは、プル型とプッシュ型を詳しく順を追って説明いたします。

まず、プル型の場合は、相手にニーズがあります。それは「売れるものを探している」「もっと利益が欲しい」という明確なニーズです。一見すると募集主であるメーカーの方が有利なように感じますが、相手にも選ぶ権利があります。また、探しているということは、貴社以外にも資料請求している可能性が非常に高いので、競争を勝ち抜くだけの準備が必要です。

プル型で代理店構築を成功させるためには、次のような項目の検討が必要です。

1)商品・サービスの特長を一言で表す
選ばれなければ何も始まりません。他社よりも目立って一人でも多くの注目を集める必要があります。

2)魅力的な募集内容にする
いくら商品・サービスが良くても、販売しづらかったり、報酬が低ければ誰も売ってくれません。(以降で説明します)

3)効果的な募集媒体を選ぶ
「代理店募集」で検索すると代理店募集に特化したポータルサイトがありますので、これらに広告を掲載して募集します。予算があれば複数の媒体に出して効果を測定し、効果がある媒体だけを残します。また、自社で募集専用サイトを作りインターネット広告をすることで短期間でアクセスを集めることもできます。

比較的長いスパンで、新しい商材を探している場合もありますが、今すぐにでも、という会社や個人が多く集まるのがプル型の特長です。その特性をうまく生かして、高額な加盟金をいただくよりは、まずは無料でもいいから販売してもらうというような工夫も必要です。

 

プッシュ型の戦略

ニーズがないところに「代理店になりませんか?」と持ちかけるのがプッシュ型です。売上につながりやすい反面、魅力的な提案をしなければ断られて準備した時間と費用が無駄になります。

代理店になってもらうためには、次のような項目を提案する必要があります。また、相手によっては「代理店」という名称を使わず、「業務提携」「タイアップ」「ジョイントベンチャー」などの企画として持ち込む方が良い場合もあります。

1)その会社の商品・サービスと競合しないということを明確にする
どんなに良い提案でも、自社の顧客を横取りされると感じたら交渉は決裂します。まず始めに競合しないということを明らかにし、こちらの条件を聞いてもらう体制を作る必要あります。

2)今の顧客や、顧客にならなかったリストを活かすことで、プラスの利益になることをはっきりと伝える
相手企業は1人の顧客を得るためにコストを支払ってきていますし、顧客にならなかったリストに対してもコストを支払っています。このことを指摘して、プラスの利益になるということをメリットとして伝えてください。

3)費用の負担がないか、ほとんどないという条件にする
加盟金を要求したり、送料や印刷代を負担してもらうという提案は避けるべきです。こちらから出向いていって提案するのにもコストがかかっていますから、その会社が断れない提案を用意しておかなければ時間と費用を無駄にすることが目に見えています。

4)その会社に一切の被害が生じないように保障や事務的な負担を約束する
相手企業は、貴社が提供した商品・サービスで、その会社のお客様から「効果が出なかった」「損をした」とクレームが出ることを恐れています。また、社員に事務的な負担になることも避けたいものです。これらを回避する保障や、事務負担を約束する必要があります。

5)すべての注文はその会社を経由するか、その会社がいつでも確認できる状態にする
どんなに立派な契約書を作成しても、経過や結果が分からない仕組み(システム)になっていたら貴社と取引をすることを躊躇します。アナログでもデジタルでも、相手企業が安心できるように、注文の経過や結果が分かるようにしましょう。

プッシュ型の場合、アプローチの方法は、貴社の商品・サービスや相手企業の特性、提案の内容によって様々です。相手の立場にたって、どのような流れで代理店になってもらえるかを様々な角度で検討し、アプローチする必要があります。

 

代理店の募集方法を決める

理想は、プル型もプッシュ型も同時に行うべきですが、コストがかかります。前述したのように、まず、プル型で売りたいという代理店を獲得して、実際に販売してもらい、次に、その販売実績や販売方法を参考資料として、プッシュ型で売り込みたいマーケットを狙って攻めていくというのが一般的です。

もちろんこの2段階方式では時間がかかりますので、予算が潤沢にあり早く市場を取りたいという場合は、プル型とプッシュ型を同時に行うことも必要です。

 

初期費用を決める

ここで代理店になるために必要な初期費用を考えてみることにしましょう。プル型、プッシュ型、異なる条件でもかまいません。プッシュ型はお願いをしに行くのですから、初期費用はいただきづらいものです。

プル型で初期費用を決めておいて、プッシュ型の場合は、「こちらからお願いしておりますので、初期費用についてはサービスさせていただきます」とアプローチをかけるのもいいと思います。

初期費用は無料なら多くの代理店が集まりますし、初期費用が100万円を超えるなど高額なものはそう簡単に代理店は集まりません。ただし、商品・サービスや、報酬額が魅力的であれば、初期費用が高額でも代理店は集まります。

「たくさん代理店が集まってきても人員が足りず対応できない。初期費用を高めに設定しようと思うのですがどうでしょうか?」というご相談を受けることがありますが、これはいけません。加盟金詐欺だと後で言われてもしかたありません。根拠がない金額を設定するのは厳禁です。

募集に制限をかけたいのであれば、簡単な審査をするようにして、自社で数をコントロールすることをお薦めします。例えば営業にかける人数を記入する欄を申込書に設けておいて、「今回は営業の人数が多い会社さんを優先的に代理店として契約させていただきました。再度お願いする場合には改めて連絡させていただきます。」というように説明してあげれば、断られた方も納得がいきます。

初期費用の決め方は、客観的にみて本当に必要だと思える金額です。研修を行うのであれば、研修を行うのでいくら、ではなくて、何時間の研修でこれこれこういう内容を行うのでいくらいただきたい、と明確にします。販促ツールを買ってもらう必要があるなら、どんな営業ツールがあるのかを写真などを入れて具体的に明示しなければいけません。

商品を仕入れてもらう卸販売の場合や、お客様からの代金を代理店が回収する場合など、リスクを代理店に取ってもらうために保証金を設定する場合もあります。この場合は、保証金は後で全額返金するということを明示し、返金しない他の費用と明確に分けておきます。また、いきなり大きなお金(保証金)を積ませるのではなく、ランクを設けておいて、取引できる量に応じて保証金を変えると良いでしょう。

エリアを付与するのだから、加盟金を払って欲しいという場合もあります。この場合は、その代理店が全く活動しなかった場合の、自社の損失分を補うという意味で加盟金を設定しましょう。代理店の立場で考えれば、これだけの加盟金を払えば、将来このような利益を生むことができる、ということで加盟金を払うのですから、利益が取れるという根拠をどのように示すかが重要になります。

多くの代理店を集めて実力のある代理店を振るいにかけていくのであれば、初期費用は限りなくゼロに近くしておいて、初期費用はかかるがもっと利益が取れる代理店制度を別に用意しておくという方法もあります。

いずれにしても、初期費用はその商品・サービスを選ぶ上で初めの段階で判断される項目ですので注意を払って、できるだけ無料に近い金額を設定して、多くの代理店候補を集めることをお薦めいたします。

 >>初期費用を決めるためのワークシート

 

管理費用を決める

メーカーは代理店を管理するのですから、管理費用がかかっています。具体的には、代理店を募集するための費用、代理店を教育するための費用、代理店の報酬を計算するための費用、代理店へ報酬を支払うための費用、それらの業務に関わる人件費や設備費など。

それらの費用を代理店の数で割って請求したいところですが、売ってもらっている立場としては、請求しづらいところです。

そこで、妥当と思える金額を管理費として設定する方法をご紹介します。代理店が管理画面を使えるようにしたり、ホームページを用意してあげるならば月額1万円~5万円くらいが妥当な金額です。毎月、代理店担当者が訪問して、教育をしっかりする、ということなら、数十万円と設定することもできるかも知れません。

一般的にメーカーであるみなさんより、代理店側の方が資金的にも弱い立場である場合が多いので、なるべく管理費は取らないか低くしてあげていただきたいと思います。管理費を取る場合でも、販売実績がない間は免除してあげるなど配慮してあげるのも良いでしょう。

管理費用を別の目的で設定する場合もあります。どのような業種業態でも、代理店ができたらそのうちの2割が活動をして、全体の8割の売上をつくります。パレートの法則※と呼ばれるものです。
※経済にばらつきがあることを80:20の比率で法則化したもの。売上の8割は全顧客の2割が生み出しているなど。

1年、2年と代理店マーケティングを展開していくと、全く活動していない代理店が間違いなくできます。この代理店に対しても、ちゃんと活動してくれている代理店と同じだけ管理コストがかかっていますので、どうやってこの代理店にご退場いただくかということに悩まされます。

そこで、1年間の管理費を設定することをお薦めしています。何も管理しない場合は別ですが、代理店へ定期的にレポートなどを送る場合に有効です。こうすることで契約更新と管理費をセットにしておいて、更新するかどうかの意思確認を行うとともに、活動していない代理店をスクリーニング※していくことができます。
※多数の対象をふるいにかけ、一定の条件の対象を抽出すること。ここでは活動している代理店だけを残すこと。

初年度は無料にしておいて2年目以降、年間1万円か2万円の管理費がかかるというようにしておけば、代理店を多く作れて、2年目以降、数を整理していくことができるのでお薦めです。

 >>管理費用を決めるためのワークシート

 

報酬を決める

「代理店の報酬はいくらにすれば集まりますか?」「他社は何パーセントくらいでやっているんですか?」という質問もよくいただきます。

広告の場合、広告代理店が得る報酬は20%が標準ですし、物品販売の場合、卸店が扱うのは30%~50%(利益は小売店への卸価格との差)、小売店の場合は、50%~70%(利益は販売価格との差)というような数字だと思います。

では代理店はどれくらいか?というと、どこまでの業務を行ってもらうかというボリュームの面と、お客様はどれくらいいるか、売りやすいか売りにくいか、といった難易度の面も考えて決めればいいと思います。

一概に何パーセントでなければいけないというはありませんし、何パーセントでなければ集まらないということもありません。判断するポイントは、この金額で「売りたいと思うかどうか」です。

でご紹介したサプライ型のように、見込客のリストをメーカーから提供されて、代理店は現地に行って説明するだけ、という代理店であれば、手間賃+アルファの報酬で十分です。

マーケ型で、見込客を自分で探してきて、契約や契約後の顧客フォローの全てをやらなければいけないとなれば、十分な報酬を用意してあげなければいけないでしょう。継続収入になるかどうかによっても変わりますので、報酬額に関しては個別に判断しながら公正妥当と思える金額・パーセンテージに決めてください。

計算で報酬金額を算出する方法もありますのでご紹介いたします。

まず、1人(1社)のお客様から貴社が得ることができる利益を調べます。販売価格から原価、諸経費を引けば利益はすぐに出せますが、ここでは、もう少し踏み込んで考えて頂きたいと思います。つまり、1人のお客様が初回の購買から最後の購買に至るまでの利益=顧客生涯価値(LTV※)を考えます。
※Lifetime Valueの略。お客様がその会社にどれだけ利益を与えるか。

お客様から得られる全ての利益を合計し、お客様数で割り、1人のお客様から得られる平均利益を出します。

利益の合計 ÷ お客様数 = 平均利益

次に、1人のお客様を獲得するために、何人の見込客を獲得しなければいけないかを過去の実績から調べ、顧客化率を算出します。
実績がなければ、予測でもかまいませんので数値を決めてください。

お客様数 ÷ 見込客数 = 顧客化率

最後に、平均利益と掛け合わせ、一人のお客様にかけられる投資可能費用を算出します。

平均利益 × 顧客化率 = 投資可能費用

計算上は、この投資可能費用の範囲内であれば、見込客一人を獲得するために使っていいということになります。化粧品メーカーが無料でサンプルを提供できるのは、こうした裏づけがあるからです。

さて、この投資可能費用の使い方として、以下の2つに注目してみてください。

1)代理店への投資
1件あたりの報酬と、キャンペーンなどでの奨励金など

2)お客様への投資
ディスカウントや無料サンプル、モニター費用など

つまり、代理店への報酬はもちろんですが、お客様へ投資することもできるということも考えていただきたいのです。お客様へ投資することで、商品・サービスの魅力が上がれば、代理店も販売しやすくなるということです。

別の計算式もご紹介しておきます。計算には顧客生涯価値と顧客獲得単価(CPA※)を使います。ここでは分かりやすく、顧客生涯価値は、全顧客の売上÷顧客数で求め、顧客獲得単価は、広告宣伝など顧客を獲得するのに要した費用÷新規獲得顧客数で求めます。
※Cost Per Actionの略。一人のお客様を獲得するのに費やした費用。

報酬 = 顧客生涯価値-顧客獲得単価-自社で残したい利益
もしくは
報酬 = 自社での顧客獲得単価-代理店経由での顧客獲得単価(予測)

いずれにしても、漫然と決めるのではなく、根拠をもって計算しておけば、後で見直す時に、どの数字を変えればいいのか、どのくらい変動させればいいのか、などがはっきりします。

 >>代理店に支払う報酬額を決めるためのワークシート

 

インセンティブを決める

インセンティブと報酬という言葉は同じように使われる時もありますが、当協会では報酬にプラスしてつける「動機付け」という意味で「インセンティブ」という言葉を使っています。代理店に付与する特権と考えていただければ分かりやすいかも知れません。

代理店になれば、その商品・サービスを安く手に入れられるというのもインセンティブの一つです。その他にもアイデア次第で費用をかけなくてもできるものが沢山あります。以下にインセンティブの例を列記しておきますので参考にしてください。

インセンティブの例
・各地域、1社限定で募集します
・二次代理店を下につけることができます
・今だけ初期費用を無料にします
・○件顧客を獲得した場合、特別報酬をプラスします
・見込顧客を紹介します
・パンフレット等の販促ツールを無償で提供いたします
・当社の商品・サービスを特別価格でご利用いただけます
・研修終了者に○○○○○認定証を発行いたします
・顧客獲得後のフォローはすべて当社が行います
・本契約前にテストで販売いただけます
・すぐに販売いただけるためのスターターキットをご用意しております
・専用のホームページを無償で提供いたします
・お客様が継続して購入する限り継続的に報酬をお支払いいたします

インセンティブの内容によっては、報酬額の多い少ないよりも、代理店をひきつけることになる場合もありますので、貴社ならではのインセンティブを考えてみてください。

また、報酬をどのタイミングで支払うかもここで一緒に考えてください。一般的には月末締めで翌月末払いですが、個人相手の場合、15日サイクルにしてあげたり、大きな金額のものは入金後すぐに報酬を支払うという場合もあります。この支払うタイミングが早ければそれもインセンティブの一つになります。

 >>インセンティブを決めるためのワークシート

 

事業拡大のステップ

ここまでいろいろ説明してきましたが、企画をするには全体が見えていなければいけません。中長期的には、次のようなステップで事業を拡大させていくことになります。

1)代理店を募集する
この際に、自社の直販をどうするかがポイントになりますが、覚悟を決めるならば直販をやめて代理店を募集し、試験的に始めるようであれば直販は残しておいて、代理店を募集するということでよろしいかと思います。

2)成功している代理店を作る
代理店の数を増やすのではなく、1社でも2社でもまず成功している代理店を作ることに注力してください。その成功事例を見せれば、より多くの代理店候補が集まりますし、成功した代理店が行っている売り方を教えれば他の代理店も売上を伸ばすことができます。

3)募集を強化する
募集してからフォローまでの一連の流れができあがれば、あとは代理店を増やすことで売上を2倍、3倍と増やすことができます。募集媒体を増やしたり、プル型だけだったものをプッシュ型に加えたりして募集を強化します。

4)参入障壁を高める
いつまでも同じことをしていたら、同業他社に真似されてせっかく取った市場シェアや代理店を奪われてしまいます。商品・サービスの価格を下げて、他社が参入してきても利益が取れないようにしてしまったり、顧客満足度を高めて乗り換えを防いだり、代理店への報酬を厚くしたりと、他社が参入できない状態を作りこの事業での成功を手堅いものにします。

参入障壁を高める方法を決定するには、どの要素を高くすれば他社が参入して来なくなるか、もしくは参入してきても絶対に勝てるか、ということで決定していきます。商品・サービスのライフサイクル※によっては、参入障壁を高めるのではなく他の事業に利益を投下したほうがいい場合もあるため慎重に決定したいところです。
※商品・サービスの寿命を導入期、成長期、成熟期、衰退期に分けて戦略を決定する考え方。

奇抜な代理店構築方法は必要ありません。多くの会社がたどった成功の道をそのままたどっていけば成功できます。

 

 

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