代理店を募集して、代理店契約ができて。最後は、代理店が売ってくれるようになるように指導します。
※本ページの内容は入会特典の「代理店構築マニュアル」にも記載されています >>ご入会はこちらから
フォローとは
代理店構築で失敗する例は、メーカーは代理店が売ってくれるものだと思っていて、代理店はメーカーがサポートしてくれると思っていて、お互いが何もしなかったり、相手の不満ばかりを口にしてしまう場合です。
メーカーは売れる代理店を育てなければ代理店構築で成功しません。売れるスーパーマンに頼るのではなく、誰が来ても売れる代理店に育てられるような仕組みを作ることを目指しましょう。
フォローとは、直訳すると追いかけるという意味ですが、当協会では「代理店をしっかりと売れる代理店に育てていく」と定義しています。
このフォローのことまで考えると、代理店になりたいとう候補者をすべて代理店にするのではなく、きちんと育てられる自信がある候補者だけを代理店にするべきだということがお分かりいただけると思います。
法人であれ、個人であれ、貴社の代理店になって貴社の商品・サービスを販売している間は、リスクを取って活動することになります。誰でも代理店にして、売れない代理店は自然に消滅していく、という発想で代理店に接していると、あとで売れなくなった代理店から「どうしてくれるんだ」というクレームが発生します。
売上を保障しているように思われがちなフランチャイズではよくこうしたケースで訴訟が起きています。代理店方式は売上を保障したわけではないと認識されていることが多いのでトラブルにはなりにくいのですが、メーカーとして責任を持って代理店を育てていただきたいと思います。
残念なことですが、現在、代理店展開をしている会社の多くは、こうしたフォローが行えていません。そもそも代理店構築自体、誰も教えてくれないことですので、それは仕方がないことかも知れません。貴社にとって、これはチャンスです。本サイトでご紹介するようなフォローを行っていけば、同業他社に間違いなく差を付けられるからです。
フォローすることを難しく考える必要はありません。
商品・サービスの開発情報はメーカーにしかありません。代理店からの情報は全てメーカーに集まってきます。その情報を交通整理して、代理店に必要な情報を提供していくこと、それがフォローだというように考えてください。
Aという代理店と、Bという代理店の2社があるとして、Aの成功事例をBに教えてあげるのがメーカーの役割であり、Bの失敗事例をAに教えてあげるのもメーカーの役割です。その繰り返しをしていく中で、メーカーは全代理店から頼りにされる存在になり、各代理店にとって適切なフォローを行えるようになるのです。
是非貴社には代理店を温かく育てることができるメーカーになって、代理店マーケティングで成功していただきたいと思います。それでは具体的なフォローの方法を、見ていきたいと思います。
初期研修を行う
フォローで一番始めにご紹介するのは、初期研修です。代理店契約をしたあとに、初めて行う研修のことを指します。商品・サービスによっては研修を行う必要がない場合もあるかも知れません。それでも、何かヒントになる可能性がありますので一通りご覧いただききたいと思います。
初期研修は、代理店の参加率がもっとも高い研修です。新しいビジネスに出会って、代理店契約をする。そして、初めての会社(貴社)に教わる一番初めの研修に期待をもって参加するのです。
ここで、満足度の低い研修をしてしまえば、次のフォローアップ研修などには二度と参加しなくなります。この会社と契約して良かった、と思えるような感動的な研修を行えるように準備しましょう。
初期研修は、時間的な制約や、研修ができる講師、会場などの都合で、できることとできないことがあると思いますが、理想的な初期研修の内容をご紹介いたします。「準備する」でご紹介した販売マニュアルとの兼ね合いも考えながら、貴社なりの初期研修を組み立ててください。
1)目的の確認
良くある研修は、商品研修と営業研修の2つをセットで行って終わりですが、それだけでは代理店はそう簡単には動いてくれません。まず、根っこを引っこ抜いて、貴社の方を振り向かせるくらい強烈な内容を研修で行っていただきたいと思います。
それは、なぜみなさんはビジネスをしているのか、なぜ今日研修に来たのか、毎日何のために生きているのか、という目的と目標の設定です。
簡単に答えを教えるのではなく、時間を取って、各人がビジネスを通じてどんな生活を送りたいと思っているのか、そのためには今のままのやり方でいいのかを問い詰めて、今まで以上の力でやらないと夢や目標を達成できないという現実を突きつけます。
2)ゴールの共有
私たちは、力を合わせることで、一人で行動するよりも大きな成果を手に入れられることを知っています。そして、今日初めて顔を合わす仲間たちは、あなたの夢や目標を達成するために欠かせないパートナーであることを教え、それぞれの目的は異なっていても、ビジネス上のゴールは同じであることを確認します。
3)目標の設定
意識付けを変えたところで、具体的な目標の設定を行います。目標とは売上です。ここでは、まだ報酬額などの説明をしていないので、単純に毎月欲しい利益・収入ということで設定します。商品・サービスにもよりますが、今月の目標というような期日が近いものと、3年後の目標というような期日が遠いものと、最適な方を選んで、代理店に教えていきます。
4)販売目標の設定
欲しい報酬を設定したあとで、そこに到達するためにはどれくらい頑張らなければいけないかを認識してもらう作業を行います。どの商品を販売したら、報酬はいくらになるので、今月は○件販売しなければ目標に届かないということが分かります。大変だ、と思わせるのと同時に、目標どおり売れれば、その先にある夢や目標が達成できるということを理解させて、早く売り方を教えて欲しい、という状態を作ります。
5)商品・サービスの説明
ここで商品・サービスの説明に入ります。売りたい、売らなければいけない、という状態になっていますので、代理店も真剣に説明を聞きます。講義形式では、理解が深まりませんので、実際の商品・サービスの実物を見てもらったり、製造工程や、使用しているところを動画で紹介したり、完璧に理解できるように説明します。質疑応答なども交えると、より理解が深まります。
会社の理念や近況、業界の動向などの情報も教えたいところですが、あまり時間が取れないようであれば、販売マニュアルに記載しておいて、後で読ますようにしてもいいでしょう。
6)売り方の説明
商品・サービスの内容を理解したところで、どうやって販売するかを説明します。ターゲットの見つけ方、リストの使い方、電話のかけ方、プレゼンのやり方、クロージングのやり方など、一連の流れを全て教えます。
7)ロールプレイング
6)で説明した内容を実際にやってもらいます。時間に限りがありますが、この部分は誰でもあとで「役に立ちました」と言う部分ですので、じっくり時間を取ってやっていただきたいと思います。
お客様役と、営業役(代理店)になって、アポイントを取る電話や、プレゼンテーション、クロージングを、実際にやりながら身に付けてもらいます。
そして、良い点、悪い点をみんなで確認し合いながら、明日からできるレベルにまでもって行きます。最後には、このロールプレイングを、帰ってもやるように指導します。一番効果的なのは、ビデオカメラで撮影して、自分の姿を見せるというオンカメラロープレです。多くの方、思っていたよりもはっきりとしゃべっていなかったり、自信なさそうに話している自分にショックを受けて、次の日から別人のようになります。是非やってみてください。
8)実務の説明
やる気になったところで解散したいところですが、申込書の書き方や、報酬の支払い方法など、実務の説明も一通り説明しておかなければなりません。参加企業によっては、研修でやってもらいたい内容が異なる場合もあります。型どおりの説明ではなく、代理店が知りたいと思っている内容にするようにしましょう。
以上が初期研修の理想的な内容です。初めの1)から4)までの内容は、是非はしょらないでやっていただきたいと思います。この内容をやらなければ、そのあとのロールプレイングにも熱が入らず、とても白けた研修になり、当然売上も上がりません。
明日からすぐに教わったことを活かして営業をするんだ、という強いモチベーションを引き出す研修を行ってください。
フォローアップ研修を行う
代理店というのは不思議なもので、高いモチベーションを維持し続けるところはほとんどありません。もっと他にも売れるものがあるのではないかと、常に探しているのかも知れませんし、同じものを売るのに飽きてしまうのかも知れません。
それでも貴社は、その代理店に頑張って売ってもらわなければいけませんので、定期的にフォローアップを行います。1ヶ月ごとでも、3ヶ月ごとでもいいです。内容が良ければ毎回参加する代理店がいますし、内容が良くなければどんどん参加代理店が減っていきます。
内容は、初期研修でやったロールプレイングにプラスアルファした内容でいいと思います。プラスアルファというのは、お客様からあったお問合せとそれに対する回答や、成功事例、失敗事例の共有などです。
研修のあとの懇親会がメインになってしまっている会社もありますが、これはお薦めしません。メリハリを持って、このフォローアップ研修を受けると確実に売上が上がる、という内容をメーカーとして一生懸命考え続ける必要があります。
メーカーが思いを込めれば込めるほど、いい研修になりますし、いい研修を行えば、代理店が数字で結果を出してくれます。
同行営業する
営業に自信がある方は、同行営業を嫌がりますが、営業が始めてだったり、素直に教えて欲しいと思っている代理店にたいしては、同行営業することをお薦めします。ベテラン営業マンの隣に新人営業マンが付いていくというイメージです。
営業の方法にもよりますが、飛び込み営業をするのだったら、メーカーが見本を何回か見せて、そのあと代理店にもやってもらうという感じです。アポイントを取ってやる場合には、代理店にアポイントを取ってもらって、アポイント当日はメーカーが手本を見せる。慣れてきたら、メーカーは同席させてもらう形で、説明が足りなかったり、話の流れが悪い時に助け舟を出してあげる役をやります。
同行営業だからといって、代理店の報酬を減らしてしまう会社もありますが、これはお薦めしません。同行営業でせっかく契約が取れても嬉しさが半減します。また、メーカーがタダで教えてくれているという見えないプレッシャーを与えた方が、早く独り立ちできるようになります。
同行営業は、手間もコストもかかりますが、代理店に売上を立ててあげることで自信もつき、代理店が成長するきっかけにもなりますので、代理店が希望する場合は是非行ってあげてください。
ライセンスを与える
技術を要する代理店の場合は、技術研修を行った上で研修終了者に認定証を発行するという方法もあります。代理店が喜ぶということもありますが、何よりもお客様から信頼を得られますので、売上に直結します。
フランチャイズの場合、よく見られるこのライセンス制度ですが、貴社でも活用できるようであれば積極的に取り入れていただきたいと思います。
ライセンス制にした場合、試験問題をつくらなければいけなかったり、認定証を発行する手間はかかりますが、それ以上の見返りは売上で得られます。予算があれば、社団法人など別組織を作って、そこからの認定を得られるようにすれば、より信用が増します。
貴社サービスのクオリティーを維持・向上させることにも大いに役立ちます。内容によっては、常に高い技術や意識をもってもらうために、2年に1回くらいで更新させるようにするのもいいと思います。
これが代理店にとって、売上を向上させるフォローになるのであれば、是非検討してみてください。
ショールームを作る
大型の機器の場合など、パンフレットやカタログだけでは分からない時には、メーカーとしてショールームを用意するという方法もあります。代理店には自由に使ってもらって、その場でお客様と商談もできるようにしておきます。
また、代理店にもそのようなショールームを作るようにアドバイスしてあげるのもいいと思います。
少し興味を持ったお客様でも、ショールームへご案内することで、急に欲しくなることがあります。実物を見て、納得する説明を聞けば、潜在的に欲しかったお客様が契約になるのは、当然のことかも知れません。
ショールームを持つのは大企業だけ、というルールはありませんので、小さくてもいいのでショールームを作ることを検討してみてください。
セミナーを行う
十分な説明が必要な商品・サービスの場合は、毎回毎回お客様のところへ出向いて行って説明するのではなく、セミナーを行ってまとめて説明した方がいい場合があります。
貴社がセミナーを開催して、そこに代理店が見込客を招待してもいいですし、代理店が集客したセミナーに貴社がスピーカーとして登壇してもいいと思います。
インターネットの普及でなかなか情報に対して費用は払いづらくなってきましたが、セミナーとなると数千円から数万円のものまで、ネットだけでは分からない情報を得ようと積極的に参加する傾向があります。
もちろん、商品・サービスの説明セミナーでは、誰も来ませんので、貴社の商品・サービスを欲しがるお客様がどのような悩みをかかえているか、どんなことに関心を持っているかと、最終的に貴社の商品・サービスが売り込めるというテーマを考えてセミナーを開催する必要があります。
これでパターン化できるようであれば、代理店にも教えて、代理店が自分でセミナーを開催してお客様を見つけていくということができるようになります。
この手法で「不動産投資セミナー」を行い次々と高額なマンションを販売しているところもあります。主催しているのは不動産会社で集客しているのは代理店です。テーマと売りたいものが直結しているので非常に分かりやすい例だと思います。
広告宣伝をする
間接的にフォローする方法として、貴社の商品・サービスを有名にするという方法があります。有名なタレントを使えば、「○○ちゃんの宣伝でおなじみの~」と代理店が販売することができます。
雑誌への積極的な広告を行っている会社もあります。もちろん記事として取り上げられるのが一番いいですが、記事広告※であっても純広告※であっても、「○○という雑誌で紹介されました」といえば、商品・サービスが売りやすくなります。
※記事風に商品・サービスの宣伝を行う広告が記事広告で、対する通常の広告は純広告といいます。
広告は二次利用しやすいので切り抜いて、プレゼン資料に入れ込んだり、ホームページ上で使用できます。
また、見込客のリストを代理店に配布することを目的に、広く広告宣伝してもいいかも知れません。代理店も喜びますし、代理店が契約を取ってきてくれれば、広告費を上回る利益を出すことができるかも知れません。
いずれの場合も、どの媒体に、どうやって出すかによって、成功するか失敗するか大きく分かれますので注意が必要です。
キャンペーンを行う
フォローするための企画として、キャンペーンも有効です。キャンペーンには2通りあって、お客様が購入しやすくなるキャンペーンと、代理店の報酬がアップするキャンペーンに分けられます。
「創業○周年キャンペーン」「春の○○キャンペーン」「お客様感謝セール」など、名目は何でもいいのですが、なぜお得なのかを明確にしたキャンペーンである必要があります。理由がはっきりしない割引はかえって信用を損ねます。
お客様が購入しやすくなるキャンペーンは、代理店にとっても売りやすくなるタイミングでもあります。年間を通じてどのようなキャンペーンを行うか企画してはいかがでしょうか。
なお、この場合であっても決して代理店の報酬を割り引いてはいけません。代理店に、報酬が下がっている期間は売らずにジッとしていた方が得だと考えられてしまっては、キャンペーンの意味がなくなります。
また、代理店の報酬がアップするキャンペーンは、期末や、四半期ごとの決算期など、販売にメリハリを持たせるために行います。どのくらい報酬をアップさせるかは、難しいところですが、普段販売価格の30%だった報酬が、キャンペーン中に50%になると違和感を感じます。プラスアルファで10,000円が足されるとか、合計○件以上の販売数に達したらボーナスを支払うなど、原価や貴社の利益を意識させないような企画にした方がいいでしょう。
コンテストを行う
コンテストは、月間で販売数の多い代理店を優秀者として発表したり、年間(アワード)での表彰をしたりする企画です。人気商品や旅行の商品をプレゼントしてもいいですし、目録として現金をプレゼントしてもいいでしょう。
金額の多い少ないではなく、賞状や盾、メダルをもらうと、精神的な満足感や達成感を得られます。「よしまた頑張ろう!」という気になってもらえます。もちろん予算が許せばハワイ旅行などの大きなプレゼントをしてあげてもいいと思います。
気をつけたいポイントは、代理店が会社に戻った時に賞賛されたり、個人であれば家族に羨望のまなざしで受け入れられるような、敬意ある賞にしたいという点です。最優秀セールス賞というのが3人も受賞していたら、メーカーが賞を上げたがっていることがすぐに分かってしまいコンテストが形骸化してしまいます。
売上高コンテスト、接客技術コンテスト、パンフレットデザインコンテスト、など、自社で強化していきたい内容でコンテストを行えば、技術が毎回アップしていきます。歴代のコンテストの優秀者を紹介する資料を作れば、代理店の教育資料としても使えます。
是非、貴社なりのコンテストを企画してみてください。
勉強会を行う
メーカーが一方的に知識を与える研修ではなく、各代理店が問題意識を持って参加する勉強会の開催も効果的です。
メーカーは場所の提供や、司会進行を行いますが、基本的には各代理店からの問題提起や発表の場として位置づけます。
機器のメンテナンスなど、技術的な勉強が必要な場合は、代理店の中でも担当が異なる場合がありますので、販売の勉強会とは分けて開催する必要があります。
勉強会は、毎回同じ内容だと参加者も飽きてしまいますので、テーマを用意してあげたほうがいいでしょう。分かりやすいのは、「ボーナス商戦」「クリスマス商戦」などの季節的な販売強化をどうやっていくかというものです。販売トーク、POP※はどうするか、レイアウトはどうするかなど、いいアイデアがあれば積極的に取り入れたいと思うはずです。
※Point of purchase advertisingの略。展示している商品を目立たせるための広告。店長おすすめ!など。
コンテストの受賞者に発表してもらうなど、他の企画と合わせて行うと相乗効果が生まれますので、フォーロー活動全体の相関図をつくり、「成功事例」「失敗事例」「注意事項」などの情報をどのように集めて、どのように伝達していくか、どのようにストックしていくかという全体像を考えましょう。
レポートを送る
当協会では、代理店に向けて定期的に情報を発信することを推奨しております。発信の方法はいろいろありますが、メールマガジン(Eメール)か、レポート(郵送)がお薦めです。
メールマガジンは、タイムリーに情報が発信できるのと、読ませたいホームページがあればそこに誘導できるので、是非取り入れていただきたいと思います。ただし、すべての代理店がメールを読んでくれるようにするのは難しいのでご注意ください。
メールマガジンを発行する場合は、代理店同士のメールアドレスが分かってしまわないようにすることと、内容に誤字脱字がないことに注意して送信しましょう。メール作成者とチェックする人を別にしておけばミスもなくなります。送信する時間も夜中などにならないように、専用のメールマガジン発行システムを利用されることをお薦めします。
レポートで、一番良いのは、紙で送るものです。「代理店通信」「フォローマガジン」「レポート○年○号」など呼び方は自由です。レイアウトは学級新聞のような感じで、手作り感があってもいいと思います。
内容は、これまで見てきたフォローするための文書であり図・写真です。季節の挨拶、最近の商品・サービスの情報、販売方法の紹介、Q&A、先月の販売優秀者の発表といった読めば売上が上がるような内容が望ましいです。
特にお薦めしているのは、レポートの一部を空欄にしておいて「○○様の○月の売上は○○円です。従いまして報酬額は○○円です。(今月は○日入金予定です)」という内容を後で印刷できるようにしておくことです。こうしておくと、封筒を開けないということがなくなります。
このように、成果が出ていても出ていなくても、代理店の販売実績を知らせる方法を用意しておくのは必須です。売れたときだけ報告するというメーカーもありますが、連絡が1ヶ月も2ヶ月もなければ、販売しなくていいという気になりますのでお薦めしません。
販売実績が出ているのに報酬を横取りしているんじゃないかと、疑われてしまっていたメーカーがありましたが、対応に時間を取られて大変だといっていました。みなさんは、そうならないように、どんな形であれ、毎月毎月丁寧にレポートを出されることをお薦めします。
紙で送るレポートはA4サイズ1枚でもかまいません。白黒でもいいです。目的は、情報提供と、販売実績の報告の2点です。文書をつくるのは時間がかかる作業ですが、慣れてくれば1日2日でできるようになると思いますので、是非作成してください。
成功している代理店を作る
「代理店が全然売ってきてくれない」と相談にくる会社があります。いろいろ話を聞いてみると、売り方を教えていないという場合がほとんどです。代理店任せの典型的な失敗例です。
当協会では「成功している代理店を強引にでもいいから作ってください」と指導させていただいています。そこそこ売れている代理店ではダメです。みんながびっくりするくらい売っている代理店です。
毎月10件売っている代理店が「当社で一番売っている代理店を参考にしてください」とメーカーにいわれても、毎月20件しか売れていないのであればあまり参考にしたいとは思いません。これが「毎月500件売っている」ということになると話は違います。
お金を出してでも、どうやってその代理店が販売しているのか、その方法を学びたいと思いますし、何も考えずに真似てみようと思うはずです。
成功している代理店を作るということは、メーカーがその代理店と一緒になって売り方を見つけなければなりません。時には人を送り込んで、時には印刷物や広告費など必要な費用は全てメーカーが負担してあげることも考えてください。
こうした試行錯誤の結果、どんなトークで説明すれば販売につながる、とか、○○円使えば○○円の利益になるという効果的な広告などが分かってきます。これが分かれば数を大きくするだけです。
代理店任せのメーカーの場合は、あとになって代理店に「どうやって売っているのか教えて」と言っても、適当なことしか教えてもらえません。ライバルの代理店には売り方を教えたくないからです。
大切なのは、メーカーが代理店と一緒になって成功している代理店を作り上げることです。メーカーとしても教え方が身に付きますし、代理店もここまでやってくれるのだから何とか結果を出そうと真剣になってくれます。
成功している代理店をクローズアップする
成功している代理店ができてメーカーがべったり張り付いていなくても大丈夫な状態になったら、2番目の成功している代理店作りに取り掛かります。
成功している代理店を作った時の情報をフォローアップ研修や勉強会、レポートなどで他の代理店に伝えることで、全体の売上が上がってきます。
こういう情報を出していかないと、自分で販売してみて売れなければ、「なんだメーカーが言っているほど、売れないじゃないか」と怒って販売しなくなります。成功している代理店をクローズアップして紹介していけば、こうした離脱がなくなります。
成功している代理店がどれくらい儲かっているかは、どの代理店も興味を持ち、頭の中で計算すると思います。そして、次に取る行動は、その代理店と同じことをやってみよう、ということになります。
代理店にはいくつかのタイプがあり、売れている方法をひたすら真似して売ろうというタイプと、誰もやっていないような売り方を見つけてびっくりするくらい売ってやろうというタイプです。
また、成功している代理店をクローズアップしていくのは、前者のタイプはすぐに成果を出しますし、後者のタイプは強い刺激を受け思いもよらないような売り方を発見するきっかけになります。
成功している代理店は、代理店募集の際にも非常に有効です。一つの例ですが、このように成功している代理店がありますと紹介すると、このような代理店が沢山あると思ってくれます。そして、自分もその代理店の一員になりたいと応募してきてくるのです。
成功している代理店をクローズアップして、他の代理店を刺激していくことで、貴社の代理店組織がどんどん大きくなっていき、代理店構築の成功を実感してくることでしょう。是非様々な形でPRしていってください。
代理店をスクリーニングする
長く代理店構築を行っていくと、売れている代理店と売れていない代理店が出てきます。もっというと、ちゃんと活動している代理店と、まったく活動していない代理店がでてくるのです。
まったく活動していない代理店には、残念ながら去っていただくことになります。そのまま放置しておいて、当社は代理店が1,000社ありますといってもあまり格好が良いものではありません。管理コストもかかりますので、どんどんスクリーニングしていくべきです。
「企画する」でご紹介したように、毎年更新するような管理費を設定しておけば、「更新の時期になりました。○円お振込いただきたいのですがいかがいたしましょうか?」といってどんどんキレイにしていくことができます。
こうして連絡していけば、これまでは売らなかったけれども状況が変わったので、もう一度研修を受けたいという代理店が出てくることもあります。
代理店構築がうまくいってくれば、代理店を計画的に全国に配置できるようになります。活動していない代理店を教育してくれるような地域を管轄するような代理店を作ったり、別の商品・サービスを既存の代理店に販売してもらうなど、より立体的な代理店マーケティングができるようになります。
そのためにも、活動していない代理店に時間や費用を奪われないように、定期的に代理店をスクリーニングするようにしてください。
代理店構築をメンテナンスする
いよいよ最後になりました。これまでご覧いただいた代理店構築の内容は、簡単なものもあれば、一度読んだだけではなかなかご理解いただけないものまで様々あると思います。実際にやってみて初めて書いてあることが分かるものもあるでしょう。
本サイトにある内容をテストして、うまくいくように貴社なりにカスタマイズしていきます。そしてまたテストする。その繰り返しです。そして、やりっぱなしではなく、チェック、確認も行ってください。
代理店構築は、人生で何度も行うことはないでしょうから難しいとお考えの方も多いと思いますが、企画、準備、募集、契約、フォローの各項目を適切に行っていけば誰でも、どのような会社でも成功する魔法の方法です。
実際に、構築していって、代理店の数や、組織が大きくなってくれば、今までになかった問題や悩みも出てくると思います。その時には是非、本マニュアルに立ち返って、新しい発見をして、代理店構築に生かしていただきたいと思います。