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【相談事例紹介】敬老の日商戦と秋の入居シーズンで需要が集中し福祉用具の先行仕入れと搬入・据付の外注費がかさみ資金繰りが逼迫した介護用品・福祉用具の販売代理店、運転資金1,050万円の調達で秋の需要に対応

実務・ノウハウ

敬老の日を前にした9月は、介護用品・福祉用具の需要が一年のなかでも大きく動く時期です。家族が帰省して実家の様子を目にしたことをきっかけに手すりや歩行器の相談が増え、あわせて高齢者施設の入居・入替が秋に集中するため、介護用ベッドや車いす、入浴・排泄関連の用具がまとまって動きます。ただ、需要が伸びる時期ほどメーカーへの先行支払いと搬入・据付の外注費が入金より先に出ていき、資金繰りが逼迫することがあります。今回は、日本代理店協会に相談された介護用品・福祉用具の販売代理店の事例をもとに、運転資金1,050万円の調達で秋の需要に対応できたケースをご紹介します。

ご相談の背景

この代理店は、地域のケアマネジャーや居宅介護支援事業所、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅を主な窓口とし、利用者ごとの身体状況のヒアリングから用具の選定、メーカーへの発注、自宅・施設への搬入と据付、使い方の説明、その後の点検までを一括で請け負っています。施設案件は入居開始日が決まっていて納期を動かせないため、9月から11月にかけて受注と納品が重なる構造でした。紹介元との関係は安定していたものの、案件が集中する時期ほど手元資金が薄くなることに悩んでいました。

資金繰りが逼迫した要因

資金繰りが厳しくなった背景には、次のような要因が重なっていました。

  • 介護用ベッドや昇降機などの大型用具はメーカーへの発注時に前払いや短い支払サイトを求められ、納品・検収より前に支出が発生した
  • 施設の一括更新案件では入居開始日に合わせて複数台をまとめて確保する必要があり、その分の資金が納品までの在庫に固定された
  • 手すりの設置やスロープの取り付けなど住宅改修を伴う案件は施工を外注しており、職人の確保が難しい時期は単価が上がって立替額が膨らんだ
  • 介護保険の福祉用具購入費・住宅改修費は利用者への償還や保険者からの入金までに時間がかかり、施設法人の多くも月末締め翌月末払いのため、支出と入金の間に2か月前後の谷が生じた

日本代理店協会にご相談いただいた内容

「ケアマネジャーからの紹介も施設からの引き合いも増えているのに、メーカーへの前払いと工事費の立替で手元資金が細ってきた。秋の入居に間に合わせたい案件を、資金の都合で断りたくない」というご相談でした。受注は伸びているものの、入金が冬に偏るため、次の発注に踏み切れないという状態です。

調達に向けて整理したポイント

  • 受注済み案件と見込み案件を分け、納品予定日と入金予定日、保険給付分と自己負担分それぞれの入金時期を一覧化することで、資金が不足する時期と金額を先に明確にした
  • 福祉用具は再整備や中古流通による転用の余地があり、かつ受注に紐づいた仕入れで在庫リスクが限定的であることを、過去の受注残と納品実績とあわせて説明できるようにした
  • 需要が秋に集中し、その後に入金が寄るという事業特性を踏まえ、入金が始まる12月から翌年2月を返済のヤマに置いた返済ペースを設定した
  • 過去数年の月次売上推移と、紹介元のケアマネジャー・施設別の継続取引比率を示し、秋の需要が一過性の売上ではなく、毎年繰り返される取引基盤に支えられていることを説明できるようにした

結果

資金使途と入金予定、返済原資を整理して説明できるように準備したことで、運転資金1,050万円の調達につながりました。メーカーへの前払いと搬入・据付、住宅改修工事の外注費に充てることができ、資金の都合で見積依頼を辞退することなく、秋に集中する案件に対応できたとのことです。あわせて、保険給付分の入金時期を案件ごとに把握し、納品から入金までの期間を初めから資金計画に織り込む運用へ切り替えられたそうです。

まとめ

納期を動かせない商材を扱う代理店では、需要が伸びる時期ほど先行支払いと立替で資金繰りは苦しくなります。とくに介護用品・福祉用具は保険給付が絡むため入金までの期間が読みにくく、受注時点の見立てと実際の資金の動きにズレが生じがちです。大切なのは、資金需要が来てから動くのではなく、資金使途と入金予定を整理し、返済原資まで含めて説明できるように前もって準備しておくことです。同じように先行支払いや入金の遅れで資金繰りにお悩みの代理店の方は、日本代理店協会の資金調達無料相談窓口までお気軽にご相談ください。


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