受賞インタビュー
オーダースーツNoah(A-StarOne International株式会社様)

優良ビジネス認定2024でゴールド認定を取得した「オーダースーツNoah」のA-StarOne International株式会社様に、サービス内容や受賞した感想などを伺いました。
(インタビューにお応えいただいた方:代表取締役社長 坂本大地様)


Q.まず初めに御社のビジネスにかける想いを教えてください

元々はオーダースーツやスーツそのものに対して思い入れがあったわけではなく、起業をするということに強い興味を持っていました。親を中学生の時に亡くしている背景もあり、学生時代はかなり貧しい状況でした。アルバイトで時間を使っても稼げる金額も決まってしまっていたので、学生のうちに挑戦できることはないかということを常に考えていました。大学2年生の時、叔父から成人式くらい良いスーツを自分で仕立てたらどうだと、オーダースーツを作りに行きました。高級店ではなかったのですが、その時の体験がとても新鮮で、ボタンや生地を自分の意志で一つひとつ選んで買うということにとても価値を感じたんです。その頃ちょうど、自分の人生を自分で意思決定していくことが非常に重要だと思っていて、出会ったオーダースーツに強く惹かれました。

成人式に向けて周囲もオーダーでスーツを作る可能性があるので事業化できると思い、夏休みを利用して個人事業主として開業し活動を始めました。その時はスーツの知識は何もないので、何からしていいのか当然分からなくて、お金もないのでヒッチハイクして全国の工場や生地問屋をアポなしで回るというところから始めました。実際に販売ができるようになったのはその年の11月頃。まだスーツの準備を何もしていないという近しい友達に限られたためそれほど多くは販売できなかったのですが、何とか事業としてスタートすることができました。その後、大学に通いながら、時間を見つけてはフランス、イギリス、イタリアにスーツの修行に行き、専門知識を身につけ、良い生地のルートを確保するなどして、事業を大きくしてきました。

そんな最中、コロナ禍に入り、自分たちはお客様との関係性や紹介で回っていたので、大きな影響は受けなかったのですが、周りの小売店がダメージを受け、小売りがダメージを受けると当然、問屋さんとか工場もかなり苦しい状況になっていったんですよね。それを横目で見ていて、自分たちに何かできることはないかと考え、自分が1から始めてオーダースーツの業界で売上を立てていった経験やノウハウをパッケージにすれば、学生であろうと、他の業界で活躍している経営者の方でできる。そうすればスーツを買う人も増えるし工場や問屋さんも少し潤うんじゃないか。閉めちゃうお店が多い中で逆に新しいお店がどんどん増えたらいいなという想いでフランチャイズを展開し始め、約4年間で全国に300店と拡大しています。

また、本部としては、加盟店さんにもその先のお客様にもより良いサービスを提供したいという想いで、スマテックという受注管理システムを開発し提供しています。これは、納期が長期化するオーダースーツのデメリットを解消するためのものです。この業界はデジタル化が非常に遅れていまして、この課題を改善するため、オンラインで完結し、フルオーダースーツをわずか7営業日で仕上げるというシステムになっています。

Q.フランチャイズにされた理由など教えてください

オーダースーツは本当に一個一個選ぶ必要があって、お店によってもファッションの気質が強く骨格とか肌の色などからスタイリストから提案をしていくタイプと、ある程度お客様に自分で決めてもらうことを大事にしているタイプと結構スタイルは違ってきます。自分も小売をやっていたので、そのあたりのノウハウは全部販売マニュアルとか、研修に活かせていてフランチャイズという形を取っています。ただFCだけどブランドは変えて良いよと独自性を持たせているんですね。

フランチャイズというと、セブンイレブンさんを代表するようにブランドを確立していなければ意味がない。スーツ業界でいえば、オーダースーツといえばここだというのが弊社に限らず存在していないですし、また、自分が起業した時、フランチャイズがあったらやったかというと、多分、自分自身の想いをブランドに乗せたい、自分のブランドが欲しい、作りたいという思うのではないかと。なので、当社は、オーダースーツNoah(ノア)というブランドを使ってもいいけど、結局はみなさん自分のブランドでやることを選んでいるという珍しいフランチャイズ形式になっています。

フランチャイズの仕組みは、フランチャイズ関連の本を読んだり、フランチャイズ本部を運営している経営者の方に相談ぐらいはさせてもらいましたが、基本的にはゼロから自分で構築していきました。ビジネスモデルが、業界が特殊ということもあり参考にできるものがなく、難しくはありました。だからこそ、自由だった点もあり、自分たちがこの業界の基準を作れるという感覚で作り上げていきました。

Q.フランチャイズ制度を展開してみて良かった点を教えてください

フランチャイズを始める前、小売りで店舗展開をしていた時は、2店舗目を出してもかなり苦しかったんですよ。資金的な問題もそうですけど、スタッフの教育であったり、自分の看板で仕事をしていると、両方の店舗を行ったり来たりするのも難しく、売上がただ分散しているだけという感じがあり、店舗経営は本当に難しいなと感じていました。それを50店舗、100店舗と増やす、と未来を思い描いた時に到底無理だろうなという感覚がありました。

コロナが来て、業界全体を盛り上げていきたいという想いからフランチャイズ制度を使って展開することにより、資金的、時間的な問題を気にせず各エリアに展開をしていくことができました。会社自体の知名度も高まり、業界内でのポジショニングもすごく良くなりました。弊社の場合、仕入れも全部本部で一括しているので取引先との条件もかなり良くなってそ、その点の事業としてはかなり大きかったと思います。

Q.既存のオーナーの皆様に何か一言あればいただけますでしょうか?

本当に最初の頃、加盟していただいた方々というのは、今の状態とは違って、本当に足りないことばかりでした。勢いで初めて、皆さんと一緒に育ててもらったという感覚が強いです。初期の頃加盟してくださったのは、ほとんど自分の小売のお客様だったんです。自分からいつもスーツを買ってくださった方々に、これから自分が直販よりもFC展開の方に力を入れたいという話をしたんです。持っているスーツを全部Noahに入れ替えるつもりで毎月回に来て下さるというお客様が大勢いらっしゃったので、迷惑をかけたこともたくさんありました。

本部としても人数も全然いなかったので大変でした。その時に、いろいろ多めに見ていただいたり、逆にアドバイスをいただいたりしながら、加盟店さんと一緒に成長してきた形が今だと思います。まだまだ途中ではありますが、自社から発信する情報ばかりだったので、こうした第三者的な評価をいただき、加盟店の皆さんに発表できるというのはすごく嬉しいことだと思っています。これからも加盟店の皆さんと一緒に業界を盛り上げていきたいので、引き続きよろしくお願いいたします。

Q.最後に優良ビジネス認定を受けてみた感想を教えてください

フランチャイズ制度を作る時、コンサルを入れることもなく、自分たちで考えて一個一個全部積み上げてきました。業界の中で名前がどんどん売れていくにつれて、本部って本当にこういう感じでいいのかという不安感もありました。ただ、その時できる最善をずっと更新していくというやり方だったので、こうした第三者からの評価という機会がないと、自分たちが実際に他と比べるとどうなのか、整備されている本部としてやれているのかが分かりませんでした。

ゴールドを取れたからと言って安心できたわけではないですが、自分達がやってきたことがそれなりの基準のもとを提供できているということは、自分だけではなく一緒に働いているメンバーと、一緒にそれを作ってきてくれたメンバーにとっても、一つ自信になったと思います。それでもまだ点数的に足りていなかったところもあったので、それをどう埋めていくのかということは考えていきたいと思っています。本当にいい機械になり、ありがとうございました。

-坂本様、インタビューにご協力いただきありがとうございました。

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