受注が一気に伸びる時期ほど、手元資金が先に出ていく――。今回は、住宅向け太陽光発電・蓄電池システムの販売施工を手がける代理店から日本代理店協会に相談された事例をご紹介します。本部からの送客増と補助金需要が重なって受注は好調だったものの、パネル・パワーコンディショナー・蓄電池といった資材の先行仕入れと施工外注費の支払いが入金に先行し、資金繰りが急速に逼迫していました。
相談に至った背景
同社は本部の販促強化と各自治体の補助金公募が重なったことで、四半期の受注高が前年同期比で約1.7倍に拡大していました。一方で、太陽光・蓄電池は機器の発注時に資材費の多くを前払いし、繁忙期は施工の外注比率を高めて対応するため、工事代金の入金(多くは引渡し後の翌月末〜翌々月)よりも先に支払いが発生します。受注が伸びるほど立替負担が膨らむ「増加運転資金」が重くのしかかり、このままでは追加受注を断らざるを得ない状況でした。
日本代理店協会での整理
ご相談を受け、まず資金繰り表をもとに「何に・いくら・いつ」資金が出ていくのかを可視化しました。論点を切り分けると、次のように整理できました。
- 立替期間の長さ:発注から入金まで平均で約90日。受注増加局面ではこの期間の運転資金が雪だるま式に必要になる。
- 季節性:補助金公募と本部キャンペーンが重なる時期に受注が集中し、資金需要も山型になる。
- 調達の緊急度:受注機会を逃さないため、審査・実行までのスピードが重視される。
取った打ち手
- 必要額の根拠づけ:受注残と発注予定をもとに繁忙期の立替額のピークを算出し、運転資金1,800万円を必要額として設定。
- 資料の整備:受注明細・発注書・工程表をそろえ、赤字補填ではなく増加運転資金であることを数字で説明できる状態にした。
- 調達手段の比較:金融機関のプロパー融資・制度融資に加え、入金サイトとかみ合う返済設計を検討し、複数の選択肢を並べて条件を比較した。
結果
受注の裏付けと資金使途を明確にした資料が評価され、繁忙期の立替に充てる運転資金1,800万円の調達に至りました。資材の先行仕入れと外注費の支払いに余裕が生まれ、同社は増えた受注を断ることなく工期どおりに引き渡しを進められました。入金後の返済原資も見通せるため、次の受注の山に向けて資金繰りを平準化できています。
同じ悩みを抱える代理店の方へ
「受注は伸びているのに、なぜか資金が苦しい」というのは、立替先行型のビジネスでは構造的に起きる現象です。赤字ではなく成長に伴う増加運転資金が原因であることを数字で示せれば、調達の選択肢は広がります。受注増を取りこぼさないためにも、資金繰りが見えてきた段階で早めにご相談ください。日本代理店協会では、こうした資金繰りのご相談を無料でお受けしています。